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- A LA CARTE ア・ラ・カルト -

トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラス

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A LA CARTE(世界初演)

●1. コック・オ・ヴァン(アレグロ・ガッリコ)

●2. パエジャ・ヴァレンシアナ(アンダンテ・リゾットマリーノ)

●3. ハンガリアン・グーラッシュ!(プレスト・ズィンガレスコ)

●4.スシ(アンダンテ・ニッピコ=ティピコ)

●5. ラザーニャ・ヴェルディ(モデラート・オテリッシモ)

演奏:トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラス
指揮:ゴフ・リチャーズ
収録時間:16:22(ライブ録音)

ゴフ・リチャーズの傑作「高貴なる葡萄を讃えて」に続く待望の組曲、登場!

CDジャケットより〜ゴフ・リチャーズ、初演時ノーツより
「私は、この素晴らしいブラス・アンサンブルと共演できる日を長らく待ち望んでいました。世界中から美味なる逸品を集めた新作『アラカルト』、これを生み出す機会を与えて下さったトレイルブレイザーズの皆さんに、心から感謝しています」


税込販売価格¥1,200-(郵送料・代引手数料 別)

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「トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラス」リダーの黒沢ひろみさんに伺いました。 

                      <話し手:黒沢ひろみ/聞き手:鷹松徹>

鷹松:この演奏会をライブ録音として残されたのは何か特別なわけでもあるのですか?

黒沢:トレイルブレイザーズ・テンピース・ブラスの名付け親であるゴフ・リチャーズ氏を私達の第5回の演奏会にお呼びしたいと、その話をご本人にお伝えしたとき、「それならハッピーな曲を書かなくちゃ!」とばかりにノリノリで作曲してくださったのが、この『ア・ラ・カルト』なんです。公演当日は、ゴフの代表作である『高貴なる葡萄を讃えて』のトレイル・バージョンやこの『ア・ラ・カルト』の世界初演を披露した前半と、ゴフのピアノ演奏とボーカルをフィーチャーした後半というとても贅沢な内容だったので、クォリティの高い録音で残しておくことを考えました。ライブというのは、当然、雑音や小さなミスなどが入ることを避けられないものですが、この日の“出来”は「なかなか良いじゃないか」というハナシになり、CDとして世に出したらゴフもすっごく喜んでくれるだろうし、ということでライブ録音からのCDリリースということになったんですね。ですから、最初からCD化を狙って録音したものではなかったんです、強いて言えば思い出作りというか…♪ (右下へ)

鷹松:ゴフ・リチャーズさんと言えば『葡萄』でまずは有名ですよね。

黒沢:ええ、『高貴なる葡萄を讃えて』は、アンサンブル曲としてはゴフの代表作ですし、日本でも本当に良く知られている名曲ですよね。この組曲も5楽章からなっていて、それぞれ、葡萄を原材料とした5種類のお酒から副題がつけられています。1 シャンパーニュ 2 シャブリ 3 キャンティ 4 ホック 5 フンダドール(そしてシャンパーニュをもう1本)というものですが、「これほどまでに美味しくて素晴らしいお酒が出来るのはすべて葡萄のお陰、そんな葡萄に感謝の意を捧げよう!」というゴフの気持ちが込められているんです。それなのにこの組曲のタイトルは、残念ながら日本では原題とだいぶ違うニュアンスで知られるようになってしまいました。『高貴なるブドウ酒を讃えて』とは・・・ワタシ個人的には“世紀の誤訳”の一つだと思っていますよ。ゴフという人は、曲のタイトルをとっても大切にする作曲家なんです。自身の作曲作業について、「まずタイトルを考えるんだ。そして、委嘱者やそのシチュエーションにピッタリ合ったタイトルが決まったら、もう作曲は半分終わったも同然なんだヨ♪ そこから先は、もう勝手に音楽が出て来るんだ♪♪」とおっしゃっていたくらいですから・・・一日も早くこの誤訳が日本中で改まってくれることを、日々祈っているんですけどね〜。
(左下へ)
鷹松:『ア・ラ・カルト』も5楽章で構成されていますが、こちらはすべて料理名が副題としてついていますが。

黒沢:この作品は、ゴフにとって『葡萄』発表以来15年ぶりに書くアンサンブル曲だったので、「アペリティフの後はメインディッシュだろ?」という洒落っ気も密かにあったらしく、世界各国の著名な料理をテーマにして書こうと思い付いたようです。しかしながらこの5種類の料理は、ゴフ自身の好物であるわけではなく、またすべてを食べたことのあるものでもなかったんですよ。確か食べたことがあるのは、1のコック・オ・ヴァンと3のハンガリアン・グーラッシュ、5のラザーニャ・ヴェルディだけだったはず・・・。コック・オ・ヴァンはお気に入りだったようですが・・・そんな感じなので、実際の料理の記憶というより、他国のメニューの名がもたらす憧憬やイマジネーションに基づいて作曲されたものとお考えください。

鷹松:『ア・ラ・カルト』はアンサンブル・コンテストなどでも取り上げられているようですね。

黒沢:コンテストでは人数制限があります。8ピースという枠がありますから、本来テンピースである原曲を8本に直して演奏されているのだと思います。『ア・ラ・カルト』は、トレイルと同じ編成のテンピース版と、テナーホーンやバリトン、ユーフォニアムを含まない金管9重奏版と、2種類の楽譜が既に出版されています。そのどちらにも「正規の楽譜セットを購入した方については、状況に合わせて本来の編成より小さくしたアンサンブルで演奏することは、これを妨げない」という但し書きが製品のスコアの扉に印刷されています。しかし、先程の『葡萄』の件もそうですが、本来作曲者の意図することと違った方向で色々なことが一人歩きしてしまうことは、ゴフも、もちろん私達もあまり嬉しくないかなと感じます。この曲を8重奏や7重奏で演奏して楽しんでいただくことはちっとも厭いませんし、そうやってこのゴキゲンな曲がたくさんの人に知られて愛されていくことは、ゴフはもとより私達すべてにとって非常に幸せなことです。でも是非ゴフのオリジナルの、もともと意図しているかたちのものを聴いて欲しいと思います。
(右へ)
鷹松:話をトレイルブレイザーズというユニットの話に戻します。テンピースの形態は日本でも珍しいと思いますが・・・。

黒沢:ブリティッシュスタイルのブラスバンド編成から派生した形態を継承しつつ、“トレイル”としてのオリジナル色を加味・模索しながらテンピース・ブラスとして活動を始めて、約10年になります。おかげさまでゴフをはじめ、フィリップ・スパークさんや後藤洋さん、ピーター・グレイアムさんなど、著名な作曲家の方々との親密なお付き合いも広がりました。特にフィリップには色々と可愛がってもらっていて、提供していただいた曲も少なくありません。有り難いことです。
オーケストラや吹奏楽でも普段あまり使われない、コルネットやテナーホーン、フリューゲルホーン、バリトン等、テンピースの音作りの特徴はその楽器編成に表れていますが、私達はこの形態のバンドの可能性を多くの人々に伝えてゆきたいということも願っています。まだまだメジャーなアンサンブル形態ではありませんが、アマチュアの演奏家の方々にも是非トライしてもらいたいと思いますし、仮に演奏はムリでも鑑賞で楽しんで頂けたら!と考えています。そして是非、演奏会には足を運んでいただきたいですね!!

鷹松:WAVEとしてもトレイルブレイザーズさんの今後の発展のために応援してゆきたいと思っています。

黒沢:ありがとうございます!! よろしくお願いいたします!