Waveメインページ >music> cd-片岡雄三カルテット

- 片岡雄三カルテット -

<完 売>

<<CD発売にあたってのインタビュー記事はこちらから>>

kataoka_quartet
片岡雄三カルテット

●I'm Getting Sentimental Over You(GEORGE BASSMAN)

●Jitterbug Waltz(THOMAS FATS WALLER)

●The Very Thought Of You(RAY NOBLE)

●Turkish Train(片岡雄三)

●Day By Day(SAMMY CAHN / AXEL STORDAHL / PAUL WESTON)

●A Felicidade(ANTONIO CARLOS JOBIN)

●All The Way(JIMMY VAN HEUSEN)

●The Way You Look Tonight(JEROME KERN)

●Air(片岡雄三)

ライナーノートより

初回のアルバム制作の時は、出来るだけきれいに仕上げたい、という思いで、自分の性格の或部分をかくしていたところもありました。音楽は今の自分をさらけ出すものですから、今回はプレイ(音色もフレーズも)にもっと自由さを出せるように努めました。

トロンボーン:片岡雄三、 ピアノ:吉岡秀晃、 ベース:安カ川大樹、 ドラムス:江藤良人、
バストロンボーン:山城純子(参加曲目 Air)


税込販売価格¥2,800-(郵送料・代引手数料¥350- 別)

ご購入はこちらから

「片岡雄三カルテット」2作目となるこのアルバムについて語って頂きました。 

                      <話し手:片岡雄三/聞き手:鷹松徹>

鷹松:前作からすでに4年ぶりとのことですが、今回の演奏スタイルは前作と同じ形態の1ホーン・カルテットですね。

片岡:一枚目のアルバムを聴いてくださった多くの方から「次も同じようなスタイルで聴きたい」との声が多く、それなら1ホーン・カルテットで行こうと決めました。実は2作目は違った形でアプローチしてゆくつもりでいたのです。と言うのも1作目は初めてのことでもありますし、多くの方が興味を持ってアルバムを手にされた方が多くいらっしゃいました。でも2作目、3作目っていうのは同じようにはいかないんですね。それにも関わらず多くのファンの方に同じようにカルテットで聴きたいとのぞまれたので1ホーン・カルテットにしました。まだ発売前なのでどういう評価を頂くかはわかりませんが、サンプル版を聴かれた方達からはお褒めの言葉を頂きました。(9/13取材)

鷹松:同じ1ホーン・カルテットでありながら、1作目と比較してどのように変化させて来たのか聞かせてください。 

片岡:1作目では初めてのリーダー・アルバムという事もあり、丁寧にきちんと作ろうとしていたように思います。例えていうならば、ガラス瓶に入ったとても美しい「花」を鑑賞して頂こうと。そしてトロンボーンを聞いて頂くためにリズムセクションが存在しているような。つまりトロンボーンとバンドが一体化していないように思ったのですね。今回はまったく違います。崖っぷちにたたずむ美しい「花」を見に行く。これは一歩間違えるととんでもない事になってしまいます。 (右へ)

music-cd-kataoka

そして今回は完全にカルテットとして聞いて頂こうと。4人のサウンドをブレンドさせるように意識しました。でも、これは4年経った自分がいるからなんですね。私は常に進化してゆこうと考えていますし、その努力をして来たつもりです。それは演奏スタイルにも現れていると思っています。自分で以前の演奏を客観的に聞いてみると、とても饒舌に語っているように思います。まるで聴衆を説得しているかのように(笑)。(左下へ)

今は一言一言、1フレーズを、サウンドを、意味を込めて重みを感じてもらえるように演奏しています。一瞬一瞬の音楽を大切にして皆さんの心に投げかけているつもりです。だからとてもきつい。ほとんど休みなく演奏を続けてゆくので体力的にも精神的にも。今の自分は全然守りに入っていないつもりです。どちらかというと気持ち的に攻めのスタイルを貫いていると思っています。

鷹松:まず聴いてみての感想なのですが、今回はライブ感溢れる印象を持ちましたが。

片岡:そうなんですね。ご存知の通りジャズの世界ではきちんと音符が書かれた譜面があるわけではありません。それでも一作目では曲の進行ということを考えていました。先を読むと言うか。でも今回は、先程もお話しましたけれど一瞬一瞬を大切にしたいと思って演奏を進行させましたし、そのことはバンドのメンバーにも十分に伝えていました。だから熱のこもった演奏になったし、それが「ライブ感溢れる」ように聞いて頂けたのではないかと思います。そして収録した数トラックの中で一番納得のゆくテイクをそのままCDに収めさせてもらいました。ですから演奏上の「傷」もそのまま入っています。でもたとえミストーンが入ってしまってもリズム隊のメンバーは次の瞬間必ず音や演奏で返してきます。例えば「よっしゃ、大丈夫!」みたいな。現代の技術では「傷」をとってしまうのは簡単です。でもそうすると「よっしゃ、大丈夫!」が音楽的に繋がらなくなってしまう。これって変だと思うのです。ですから私はそのままCDにしています。

鷹松:その他にアルバム制作に当たって何か気をつけたことなどはありますか。(右へ)

片岡:そうですね。例えば収録の曲順に関してなのですが、そこは当然色々と考えました。導入から聞かせどころ。そして耳の休憩を含めた軽いものへと。そして収録曲の中間部から後半に掛けて、特に曲のエンディング部分のキーに趣向を凝らしました。曲が終わった後に必ず次の曲につなげられるキーを用意し演奏を終わらせる。すると自然と次の曲に耳が素直に反応してくれるはずなんです。往年の名盤の中にはそういった見えないところに配慮がなされているものが多いんですよ。これは良い意味での「技」といえると思います。

鷹松:今回のCDでは9曲収録中、片岡さんのオリジナル曲が2曲ありますね。そのオリジナル曲のことを伺いたいと思います。 まずは"Turkish Train"についてですが。

片岡:曲名では「トルコ風の電車」?となっていますが、実はこの曲は私自身の日常だとか性格だとかを表現したものなんですね。トルコって西洋と東洋の混在しているような一面を持っていると思うのですが、そういった意味の例えです。とにかく私はせっかち。そして常に何か次の事を考えているし、そして仕事にも追われている。内緒ですが家の中でも。曲は常に転調を繰り返して展開してゆきます。それはめまぐるしい程に変わってゆきます。そしてほぼ休み無し。だから吹いている方は大変。でもそれは自分が書いたのだからしょうがないんですけどね。(笑)メンバーにも「これは長距離ダッシュだから!」と説明してきました。短距離じゃなく長距離のダッシュです。6:33の曲ですからね。(左下へ)

鷹松:ではせっかくなのでもう一つのオリジナル曲 "Air" もお願いします。

片岡:そうですね。 CDの収録曲の最後に "Air" というオリジナル曲を入れました。実は"Air"という音楽用語があって、「メロディアスに」という意味だそうです。聞いて頂けるとわかりますが、とても落ち着いた美しい曲に仕上がっていると思います。先程来より1ホーン・カルテットと言っておきながら、この曲のみバストロンボーンに参加してもらっています。(WAVE/バストロンボーンは片岡雄三夫人の山城純子さんです。今やスタジオの世界はもちろんのこと、ビッグバンド等に数多く参加しており、絶大なる信頼を勝ち得ている名プレイヤーです)曲想としては最後にリラックスした気持ちを取り戻して頂き、そして静かに幕を閉じる。そういった意図もあってこの曲を最後に持ってきました。でもそれだけではないんですね。実はこの曲にも次につなげる意味を持たせてあります。私は3作目のCDの構想をすでに持っています。それは1ホーン・カルテットではなく、トロンボーンのアンサンブルを視野に入れています。その内容が具体的に決まっているわけではありませんが、そのための布石として私は "Air" という作品を最後に入れました。

鷹松:とても意味深いですね。 では最後にこのCD発売をステップにさらなる進化をしてゆく片岡雄三さんだとお思いますが、演奏家としての目標や計画等をお持ちでしたら教えてください。

片岡:私は一トロンボーンプレイヤーとしての使命を感じています。私が歩んで来た道を次の演奏家がどのように見てくれるか楽しみです。私の演奏を聴いてトロンボーンをやってみたいとか、さらにこの楽器の魅力や可能性を感じてもらえると嬉しいですね。そんなことをCDやライブ演奏などで伝えてゆきたい。 (右へ)

一流のプレイヤーには、誰でもそのための努力を積み重ねてゆけばなれると思います。でも超一流の世界はそう簡単にはゆけない。様々な要因が、例えば技術、音色、音楽面、精神面、その他様々なことが完全に高次元でバランスされていなければ到達することは不可能です。もちろん私の目指すところです。そのための努力は怠らないで進んでゆきたいと考えています。是非応援してください。

(鷹松:私自身、片岡さんからはいつも色々学ばせて頂いています。今回も取材を通して彼がなぜこの領域にまで行き着いて来たのかが解るような気がしました。でも難しいことを抜きにして是非このCDを多くの音楽ファンに聴いて頂きたいと私からもお勧めしたいと思います。)

music-cd-kataoka2